横光利一の文学活動は、小説の執筆だけに留まるものではありません。「私は一番最初は詩を書いた。次には戯曲を書いた。次には象徴的な小説を書き出した。…」(「先づ長さを」『文章倶楽部』1929年2月)という記述があるように、詩や戯曲の実作を試みたり、数多くの俳句を作ったりしています。『書方草紙』『覚書』等に収録されている評論や随筆を書き、プロレタリア文学陣営と「形式主義文学論争」なども行っています。
さらに文学以外にも映画に関心を持ち、新感覚派映画連盟による「狂つた一頁」製作にも関わっています。『文藝時代』の表紙や挿絵を村山知義に描いてもらったり、単行本『機械』の装丁を佐野繁次郎に依頼したり、パリで岡本太郎に案内を頼んだりと、画家との交流や、同時代の美術への関心も見られます。今号の特集は、そのような小説以外のジャンルに横光利一がどのように関わっていたかを明らかにしたいと思います。多くの皆様のご投稿をお願い申し上げます。
(横光利一文学会 運営委員会編集担当)
記
規定:『横光利一研究』投稿規定に準じる
書式:『横光利一研究』「執筆要項」参照
締め切り:2025年10月31日